目次
高次脳機能障害とは
①記憶障害
新しくものを覚えられない、これまであったことを忘れるなどの症状です。
②注意障害
集中力や注意力が失われます。
③遂行機能障害
予定を立てて計画通りに事を進めたり、同時に2つ以上のことを行ったりできなくなります。
④社会的行動をとれなくなる障害
感情の起伏が大きくなったり暴れたり、あるいは幼稚になったりふさぎ込んだりして「その場に応じた対応」が困難となります。
⑤失語症、失認症、失行症
言葉が出ない、物事を認識できない、日常の普通の動作(例:ボタンを留める、歯磨きをする)などができなくなります。
以上が主な症状となりますが、これら症状があっても本人に自覚がない(病識欠如)のも高次脳機能障害の特徴です。
高次脳機能障害の注意点
まずは以下の注意点をご確認いただき、高次脳機能障害の問題点について知っていただればと思います。
軽度な高次脳機能障害の場合
本当は交通事故によって精神障害が発生しているのに、「性格が悪い」「いい加減な人だ」などと評価されたりトラブルを起こしたりして本人も家族も苦しむ結果となりがちです。
また被害者が主治医に症状を伝えないため、診断書に高次脳機能障害に関する症状が記載されず後遺障害認定が難しくなってしまうケースもあります。
「おかしい」と思ったら弁護士に相談を
高次脳機能障害であることが判明すれば、周囲に理解を求めることもできてご本人やご家族の苦労を軽減できますし、後遺障害認定の準備も進めやすくなります。
重度の高次脳機能障害の場合
「この症状なら介護は必要ない」と言われるケースもありますし、介護費用を減額される事例も少なくありません。
「誰が介護するか」の問題
介護問題で被害者やご家族が不利益を受けないためには、介護費用についての専門知識が必要です。早期の段階から弁護士にご相談ください。
高次脳機能障害の後遺障害認定
認定される可能性のある等級
高次脳機能障害で認められる可能性のある後遺障害等級は、以下の通りです。
- 要介護の第1級
- 要介護の第2級
- 第3級
- 第5級
- 第7級
- 第9級
高次脳機能障害の症状の重篤性により、認められる等級が変わってきます。 数字が少ないほど症状が重く、賠償金額もそれに伴い増額されます。 上記に挙げた等級だけでなく、状況によっては12級、14級が認定されるケースもあります。
適切な等級認定を受けるためには
以下の要件を満たされていると、適切な等級認定を得られる可能性が高まります。
- MRI、CTなどの画像所見がある
- 脳挫傷、クモ膜下出血などの診断名がついている
- 交通事故後、一定期間昏睡状態や反昏睡状態となった、または意識障害が一定程度継続した
- 感情の変化などの高次脳機能障害に特有の精神症状が出ている
上記をすべて満たしていれば、高次脳機能障害で適切な等級認定を受けられる可能性が非常に高いといえます。
家族ができる事
そのためには、適切な時期に必要な検査を受けて症状を証明すること、ご家族としても事故直後から介護の状況や内容等、ご本人の様子などについて継続的に記録をつけておくことが重要です。
ご自身たちだけでは万全の対応は困難なので、早期に弁護士に相談して適切な対応を進めましょう。
高次脳機能障害となったとき、弁護士へ早期依頼するメリット
メリット① 適切な後遺障害等級の認定
また、後遺障害申請の際にも、症状に応じてどのような資料を作成し、添付すべきかを検討する必要もあります。
高次脳機能障害を多く取り扱っている弁護士であれば、事故直後から後遺障害認定を見すえた行動をとることの重要性を理解しています。ケースに応じた適切なアドバイスを行い、後遺障害等級が認定されるためのサポートが可能です。
メリット② 不安やストレスの解消
加害者の保険会社への対応も弁護士が代わりに行うので、被害者やご家族へかかる不安やストレスなどの精神的な負担も軽減できます。
メリット③ 賠償金の大幅な増額
「ご自身で示談交渉をすると損になる」といっても過言ではない状況ですので、必ず弁護士に示談交渉を依頼しましょう。
メリット④ 過失割合を有利に認定しやすくなる
これらの刑事記録は、警察官が当事者の供述を聞いて作成します。
しかし、頭部外傷を負うほどの重大事故に遭った被害者は事故前後の記憶が不正確・曖昧になってしまう可能性があります。また、事故の相手が有利になりたいがために嘘をつくこともあるでしょう。
早期に弁護士に依頼すれば、後の示談交渉などで不利にならないようアドバイスを受けられますし、弁護士が実況見分に同行することも可能です。相手が虚偽を述べるときには弁護士が現場の状況を確認した上で、相手の供述の不自然性を指摘することも可能です。
弁護士がついていると、過失割合を被害者側に有利に認定させやすくなるメリットがあります。
山本総合の関与により高次脳機能障害で高額な賠償金を獲得できた事例
20代男性が高次脳機能障害で約1億260万円を獲得した事例
ご依頼者 | 高崎市在住の20代男性(アルバイト) |
事故状況 | 交差点にて加害自動車が安全確認不十分のまま右折し、直進していた依頼者の方のバイクに衝突 |
傷病名 | 多発性脳挫傷、急性硬膜外血腫等 |
認定された後遺障害の等級 | 併合4級(5級2号と10級10号の併合) |
獲得した賠償金 | 約1億260万円 |
解決へのポイント
そこで弁護士のアドバイスによって必要な神経心理学的検査を受けて頂き、退院後の日常生活の状況についてはご家族の方の協力を得て報告書をまとめました。
弁護士からも意見書を作成するなどして後遺障害の申請を行ったところ、高次脳機能障害としては高めの等級である5級の認定を受けることができました(太ももの骨折でも後遺障害等級が認定されたため、併合で4級となっています)。
その後、加害者の保険会社に対して示談の提案を行いましたが、返答を得られなかったため訴訟を提起。裁判では、過失割合や将来介護費、ご本人の年収の計算方法などが争いになりましたが、最終的に勝訴的な和解によって解決しました。
60代兼業主婦が高次脳機能障害で約4370万円を獲得した事例
ご依頼者 | 高崎市在住の60代女性(兼業主婦) |
事故状況 | 青信号で横断歩道を渡っている際に、信号無視の加害車両と衝突 |
傷病名 | 閉鎖性びまん性脳損傷、脳挫傷 |
認定された後遺障害の等級 | 5級2号 |
獲得した賠償金 | 約4370万円 |
解決のポイント
ところが相手の保険会社から「症状固定になったので、そろそろ示談しませんか?」と連絡を受け、今後どうしたら良いのか分からないために弁護士にご相談に来られました。
当事務所では、病院に照会して診断書や診療録を取得し、検察庁からは刑事記録等の必要書類を取り寄せてそれぞれ内容を精査しました。 次に、医師に高次脳機能障害に関する所見の作成を依頼しました。また、日常生活にどのような支障が出ているのか等の報告書など、独自に資料を作成し後遺障害認定の申請時に添付しました。
このように万全の準備をして臨んだところ、後遺障害5級2号が認定されました。
相手方保険会社との示談交渉では当事務所の弁護士による的確な指摘により「将来介護費用」も認めさせることができ、合計で4,370万円もの賠償金を獲得することができました。
まとめ
弁護士に相談する時期が早ければ早いほど対応が万全となり、その後の後遺障害認定や示談交渉を有利に進められる可能性が高くなります。
重大事故被害者のための報酬減額制度
なお、当事務所では、重大事故により高次脳機能障害等のお怪我を負われた方について、通常よりも費用を減額する「重大事故 報酬減額制度」を導入しています。 弁護士への相談はスピードが重要ですが、重大事故の被害に遭われた方が弁護士費用を気にして相談が遅れてしまう、という事態を防ぐため、この様な制度を導入しております。 ご相談は何度でも無料(*1)となっておりますので、まずはお気軽にお問合せください。
また、弁護士費用特約をご使用いただく場合は原則300万円までの弁護士費用はご契約の保険会社から支払われます。
群馬県で交通事故に遭い頭部を受傷された方、「これって高次脳機能障害かも?」と思われる症状のある方は、お早めに山本総合法律事務所までご相談下さい。
山本総合が交通事故被害者救済にかける想い
*1…弁護士費用特約をご使用される場合は、ご相談1万円/1時間(税込 1万1000円)および各保険会社の基準に則った着手金・報酬金をいただきます。なお、弁護士費用特約の範囲内であればお客様の自己負担はありません。