20代男性が顔に傷跡が残ったことにより9級が認定され、約1633万円が補償された事例

車vs車の事故。
伊勢崎市在住の20代男性が家族の運転する車に同乗中に、センターラインオーバーで相手車両と衝突する交通事故に遭われました。
事故から約2ヶ月経ち、お仕事に復帰したタイミングで「症状固定や後遺障害のことについて相談したい」と当事務所にお問い合わせを頂き、当事務所での法律相談を経てご依頼となりました。

事故から約６か月で症状固定となりましたが、顔面に傷跡（線状痕）が残りました。
当方で後遺障害の申請を行ったところ、顔面に残った傷痕について、次の後遺障害等級が認定されました。

• 第9級16号（外貌に相当程度の醜状を残すもの）

その後、加害者の保険会社と示談交渉を行いましたが、保険会社が「後遺障害の内容が傷痕なので、仕事に影響はないはずであり、後遺障害慰謝料は認めるが、後遺障害逸失利益については認めない」という考えであったため、早々に示談交渉を打ち切り、訴訟（裁判）による解決を図ることになりました。

訴訟では、加害者側の保険会社は示談交渉のときと同じように「後遺障害の内容は傷痕なので、仕事に影響がなく、後遺障害逸失利益は認められない」という主張をしてきました。
これに対して、当方からは、顔面に傷痕が残ったことによる仕事への支障を具体的に主張しました。また、顔面に傷痕が残ったことが将来の転職活動に影響することについても指摘しました。
その結果、顔面に傷痕が残ったことによる後遺障害逸失利益を認める和解案が裁判所から示され、被害者の方が納得できる和解案であったことから、和解に応じることになりました。

後遺障害の内容が傷痕の場合、加害者の保険会社が「仕事に支障がなく、後遺障害逸失利益は認められない」と主張してくることが多く、裁判になってしまうことも多いです。
今回のケースでも、加害者の保険会社が示談交渉の際に「後遺障害逸失利益は認められない」旨主張し、裁判となりました。
後遺障害の内容が傷痕のみのケースで後遺障害逸失利益を認めていない裁判例も少なくありませんが、今回のケースでは、仕事への支障を具体的に指摘できたことや、被害者の方のお仕事が転職が珍しくない業種であったことなどが後遺障害逸失利益が認められた要因であったのではないかと思います。