自動車のバンパーにメッキをしたり、トラックにデコレーションを施すなど、所有者の好みによって特殊な装飾を施すということもよく見られます。
このような装飾を施してある自動車が、交通事故の被害に遭って、その装飾部分に損傷を受けて、取り替え等の修理費用が必要になる場合があります。
この点、自動車の修理費用については、相当なものであれば実費の全額の請求が認められるのが原則ですが、そのような装飾部分の修理費用の請求については、通常のパーツと異なり、減額されることがあります。
ご質問の金メッキを施したバンパーについては、修理費用のうちの5割に限定して請求を認めた裁判例があります。理由としては、このような装飾は無用に損害を拡大するものであるからと述べられています。また、大型トラックのデコレーション装着について、同様の理由から5割に限定して請求を認めた裁判例があります。
そして、大型トラックのフロントバイザーやキャブハシゴの修理代について、走行等に何らプラスの影響がないなどとして、やはり5割についてだけ請求を認めた裁判例があります。
以上のように、特殊な装飾については、修理代の一部しか請求を認めなかった裁判例があります。
しかし、走行機能を高めない部品を取り付けただけでは被害者に「損害を拡大させた」という義務違反は無いのではないか等といった意見もありますので、常に先程の裁判例のような結論になるとは限りません。また、具体的事情によっても結論が変わり得るでしょう。