交通事故の被害者が入院した際に、付添人が必要になる場合があります。このような場合、家族等の近親者(近親者付添人)が付き添う場合と、看護師など職業として付添看護をする人(職業付添人)が付き添う場合があります。
そのような、付添看護による損害(付添看護費)を加害者に請求することができるかどうかが問題となります。
この点、近親者付添人・職業付添人のいずれの場合も、付添いの必要性がある場合には付添看護費を請求することができます。そして、付添いの必要性とは、医師の指示の有無、怪我の程度や被害者の年齢等の具体的な事情から決まります。
例えば、医師の指示があれば基本的に付添いの必要性が認められることが多く、医師の指示がなくても怪我の場所や程度が重ければ付添いの必要性が認められ易くなります。また、被害者が幼い子どもであれば、症状が軽くても付添いの必要性が認められる可能性があります。
また、補償されるのは、基本的には付添人1人分の損害に限られます。ただし、怪我の重さや被害者の状態などから、2人あるいは3人の付添人の費用が補償される場合もあります。
そして、請求できる付添費の額は、職業付添人の場合、実費全額になります。
また、近親者付添人の場合、大体日額5000円~7000円が目安になります。なお、近親者付添人の付添看護費については、被害者ではなく付添人に生じた損害とも思えますが、実務では被害者自身が請求することが認められています。