このような付添看護のための経済的負担が発生する場合としては、職業的な看護・介護者に報酬を支払う場合及び親族等が無償でこれを行う場合があります。
後者の場合には、現実の金銭支出はありませんが、判例は、本来被害者が付添人に金銭を支払う必要があるが、親族の情宜で支払を免れているものに過ぎず、経済的な不利益が発生しているとして損害発生をみとめています(最高裁判所昭和46年6月29日判決)。
付添看護費については、医師の指示、あるいは受傷の部位、被害者の年齢などから付添が必要である場合には、相当な限度で損害と認められます。
付添の必要性については、医師の指示(付添が必要である旨の診断書等)があれば明確ですが、指示がない場合においても、
被害者の症状等から付添が必要であったと認められる場合は、近親者の付添費用も認められます。
重篤な脳損傷や脊髄損傷、上肢・下肢の骨折などで身体の自由がきかない状態の場合には、付添費用を認める裁判例が多くあります。