執筆者弁護士 山本哲也
交差点を青信号で通過中、信号無視のトラックと接触して人身事故に遭いました。頭を5針縫う怪我をした他、首に違和感があり整形外科で通院治療を行いました。抜糸が終わり痛みが消えたので現在、通院はしていません。先日、保険会社から示談の提案がありました。提案の中に「傷害慰謝料」という項目がありましたが、1日4200円として通院した日数を掛けて算定されていました。一日4200円という低い金額に驚いています。このような慰謝料が相場なのですか?
傷害慰謝料を1日4200円として算定するというのは、おそらく自賠責基準に基づくものと考えられます。 自賠責基準によれば、傷害慰謝料については、被害者の傷害の態様、実際の治療日数などを考慮して治療期間の範囲内で傷害慰謝料の対象となる日数を決め、その日数に4200円をかけて算定されます。なお。自賠責基準によると、傷害慰謝料の対象となる日数は、実際の治療日数の2倍を限度として算定される例が多いようです。
交通事故による損害額を算定する基準としては、自賠責保険基準、任意保険基準および裁判基準という3つの基準があります。自賠責保険基準というのは、自賠責保険における支払い基準として定められているものです。任意保険基準とは、任意保険の支払いについて保険会社が内部的に定めている支払い基準です。裁判基準とは、過去の裁判例をもとにしながら裁判になった場合に認められる損害額のおおよその目安を示したものです。
傷害慰謝料を1日4200円として算定するというのは、おそらく自賠責基準に基づくものと考えられます。
自賠責基準によれば、傷害慰謝料については、被害者の傷害の態様、実際の治療日数などを考慮して治療期間の範囲内で傷害慰謝料の対象となる日数を決め、その日数に4200円をかけて算定されます。なお。自賠責基準によると、傷害慰謝料の対象となる日数は、実際の治療日数の2倍を限度として算定される例が多いようです。
裁判基準で算定される損害額の方が、自賠責基準や任意保険基準で算定される損害額よりも高額になる場合がほとんどですので、事故の相手方の保険会社からの提案内容に納得がいかない場合には、一度弁護士に相談されてみてはいかかでしょうか。
また、今回のケースでは、「傷害慰謝料」以外の項目についても、裁判基準で算定した場合と比較すると低額にとどまっている項目があると考えられます。
さらには、後遺障害の認定手続を受けた方が良い場合もあります。
相手方の保険会社から示談の提案があった場合には、安易に示談せず、提案内容についてよく検討し、分からないことや納得できないことがあれば、一度弁護士に相談されるのが良いかと思います。