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交通事故による休業補償とは?休業損害との違いも解説!

診断書仕事をしている方が交通事故に遭うと、相手に「休業損害」を請求できます。
また会社員やアルバイトなどの方が仕事中に交通事故に遭った場合には労災保険で「休業補償」も払ってもらえます。
休業損害と休業補償は似ていますが異なるので、混同しないようにそれぞれについて正確に理解しておきましょう。
この記事では休業損害と休業補償について解説します。

休業補償と休業損害とは

休業損害とは

休業損害とは、交通事故の影響で仕事ができなくなった場合に受け取れる損害賠償金です。

交通事故でケガをすると、入通院などが必要になって仕事ができない期間が発生します。

すると本来得られるはずだった収入を得られなくなるので、休業損害を請求できるのです。

 

休業損害は事故の相手や相手の保険会社へ請求して払ってもらいます。

休業補償とは

休業補償とは、交通事故が「労災(労働災害)」に該当する場合に労災保険から支払われる補償金です。

会社員やアルバイトなどの労働者の方は必ず労災保険へ加入しています。人を雇用すると、雇用者は労働者を労災保険へ加入して保険料を払わねばならないからです。

 

そして労災保険に加入している人が労災に遭って働けない期間が発生すると、休業後4日目以降に労災保険から休業補償が支給されます。

休業損害と休業補償の違い

はてな休業損害と休業補償は両方とも「働けなかった期間の収入」を補填してくれるものですが、両者にはさまざまな違いがあります。
具体的に何が異なるのか、みていきましょう。

休業損害と休業補償の違い一覧表

休業損害 休業補償
請求先 自賠責保険
任意保険加害者本人
労災保険
対象となる事故 人身事故全般 業務中・通勤中の事故
対象者 会社員、アルバイト、パートなどの労働者
自営業者、フリーランス専業主婦
一部の失業者
会社役員
会社員、アルバイト、パートなどの労働者
支払われる金額 全額 8割
支払開始日 休業1日目から 休業4目以降
請求方法 保険会社や加害者と示談交渉、訴訟 労災保険へ申請
有給休暇 補償の対象 補償の対象外
過失相殺 あり なし
上限額 自賠責保険の場合あり なし

 

以下でそれぞれの違いについて、わかりやすく説明します。

請求先

まずは請求先が異なります。

休業損害の場合、加害者が加入している自賠責保険や任意保険に請求するのが通常です。

相手が任意保険に入っていれば、通常は任意保険が自賠責保険の分も含めて一括対応します。相手が保険に入っていない場合には相手本人に請求しなければなりません。

 

一方、労災の休業補償は労災保険へ請求する必要があります。労災の申請用紙に必要事項を記入し、労働基準監督署へ提出します。すると審査が行われて、労災認定されると労災保険から休業補償が支給される仕組みです。

対象となる事故

正面衝突対象となる事故も休業補償と休業損害で異なります。

休業補償の対象になるのは、「労災」として認定された事故のみです。

労災となるのは以下のような事故です。

業務中の事故

労働者が使用者の支配下で業務を遂行していたときに発生した交通事故です。

業務中や作業の準備中、出張の際などに交通事故に遭ったら業務遂行性が認められて労災保険が適用されると考えましょう。

通勤退勤中の事故

仕事をしている最中でなくても、通勤退勤中に交通事故に遭ったら休業補償を請求できる可能性があります。

 

一方、休業損害の対象になるのはすべての交通事故です。仕事中や通勤退勤中の事故に限られず、プライベートな移動の際に事故に遭った場合にも休業損害が払われます。

支払い対象者

休業損害と休業補償では、対象となる人も異なります。

休業補償の場合、対象となるのは労働者のみです。たとえば会社員やアルバイト、パート、派遣社員や契約社員などが対象です。自営業者や主婦などの方は含まれません。

 

休業損害の場合、会社員などの労働者はもちろんのこと、自営業者や主婦などの家事労働者、一時的な失業者、会社役員も請求できます。

支払われる金額

電卓を使う男性の手元休業補償と休業損害では、支払われる金額も異なります。

休業損害の場合、発生した損害の全額を請求できます。ただし自賠責保険の場合には日額19000円が限度です。

 

一方、労災の休業補償の場合、平均給与額の8割しか支払われません。

不足する部分は休業損害として任意保険や自賠責保険へ請求する必要があります。

支払開始日

カレンダー休業損害と休業補償では、支払開始日も異なります。

休業損害の場合、休業した初日から支払いを受けられます。

一方休業補償の場合、休業後4日目から支給が開始されます。

当初の3日分については雇用主が負担しなければなりません。

請求方法

休業補償と休業損害とでは、請求方法も異なります。

休業補償の場合、労災保険を申請しなければなりません。具体的には労働基準監督署へ労災の申請書を提出し、労災認定を受ける必要があります。

 

休業損害の場合、任意保険会社や相手方に請求するか、自賠責保険へ被害者請求します。

納得のいく金額が払ってもらえない場合等はなるべく早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

有給休暇の取り扱い

計算機とペン休業補償と休業損害では、有給休暇の取り扱いも異なります。

休業補償の場合、有給休暇を取得した日数については支給の対象外となります。

一方、休業損害の場合、有給休暇を取得しても支払いが行われます。

有給休暇については休業補償より休業損害の方が被害者にとって有利といえるでしょう。

 

過失相殺

休業損害と休業補償では、過失相殺についての取り扱いも異なります。

まず休業損害には過失相殺が適用されます。過失相殺とは、被害者に過失がある場合に相手に請求できる損害賠償金が減額されることです。

交通事故で被害者に過失があると、相手や保険会社から支払いを受けられる休業損害が減らされてしまうという意味です。

 

一方、労災の休業補償には過失相殺は適用されません。被害者にどれほどの過失があっても全額の補償を受け取れます。この意味では労災保険の方が被害者にとって有利といえるでしょう。

上限額

休業損害と休業補償では、上限額についても違いがあります。

自賠責保険へ休業損害を請求する場合、日額19000円が限度となります。

また休業損害や治療費、入通院慰謝料などの合計で120万円までしか払ってもらえません。

日額19000円を超える部分や総額120万円を超える部分の「不足分」については、加害者の任意保険や加害者本人に請求する必要があります。

ご自身の場合に上限を超えているのか、これ以上請求できるものがあるのか、弁護士に相談して確認されることをおすすめします。

 

一方、労災保険には限度額がありません。日給が19000円を超えてもその8割分が支払われますし、総額120万円を超えても休業補償が行われます。

 

休業補償を受け取るまでの流れ

STEP休業補償を受け取るまでの流れをご説明します。

労災の休業補償を受け取るには、労働基準監督署へ申請をしなければなりません。

こちらのサイトから申請書の書式をダウンロードして必要事項を記入し労働基準監督署へ提出する必要があります。

労基署へは休業補償だけではなく治療費などの請求もできます。

 

労災保険給付関係請求書等ダウンロード(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html

審査を受け、労災認定されれば休業補償金が入金されます。

 

休業損害を受け取るまでの流れ

休業損害を受け取るには、加害者側へ請求しなければなりません。

多くの場合、加害者は任意保険に加入しているので、任意保険会社に休業損害を請求することになるでしょう。

 

また保険会社によっては「内払い」として、1か月ごとの休業損害の支払いに対応してもらえるケースもあります。

休業補償と休業損害の関係

AかB休業補償も休業損害も、「交通事故で仕事ができなくなった損害」を補填するものです。

両方を受け取ると被害者が二重取りになってしまうので、基本的にはどちらか一方しか受け取れません。たとえば自賠責で休業損害を受け取った場合には労災に重ねて請求できないのが原則です。

 

ただし休業補償には休業補償給付と休業特別支給金の2種類があります。

休業補償給付は平均給与の60%、休業特別支給金は平均給与の20%なので、労災からは合計で平均給与の80%の金額を受け取れます。

そして「休業特別支給金については休業損害と重ならない」と考えられているので、被害者は休業特別支給金の分を別途受け取れます。

すなわち労災の休業補償と自賠責などの休業損害の両方を請求すると、被害者は120%の保証を受けられる結果になります。

 

交通事故が労災に該当する場合には、労災と保険会社の両方に休業補償や休業損害を請求するのが得策といえるでしょう。

 

適正な補償を受けるには弁護士に相談を

交通事故で適正な保証を受けるには、専門的な知識が必要です。

自分ひとりで対応すると、保険会社から休業損害を減額されてしまったり労基署への休業補償請求がスムーズに進まなかったりもするでしょう。

保険会社は低額な保険会社基準で賠償金を計算するので、慰謝料や休業損害を法的基準より減らされてしまうケースも少なくありません。

 

交通事故で適正な補償を受けるため、弁護士に依頼しましょう。弁護士であれば労災の休業補償についても保険会社の休業損害についても対応できます。弁護士が示談交渉を行う場合には高額な法的基準(弁護士基準、裁判基準)を用いるので、慰謝料や休業損害を減額される心配もありません。

 

また休業損害などの請求には非常に手間がかかりますが、弁護士に依頼すれば労力も時間も節約できます。示談交渉に自分で対応しなくて良いので、ストレスもかかりません。

 

被害者が適正な補償を受けるには弁護士の助けが必要なので、休業損害や休業補償を請求するなら早めに相談するようおすすめします。

山本総合法律事務所へ依頼するメリット

山本総合法律事務所は創業以来、交通事故案件に非常に力を入れて取り組んできました。

弁護士数も群馬県の法律事務所として多数であり、1件1件の交通事故案件にチームを組んで専門的に対応しています。

 

交通事故のご相談や解決実績も非常に高く、経験やノウハウを蓄積しています。年間150件以上のご相談をお受けしており、累計のご相談件数は5000件を超えており、群馬でも有数の解決実績があります。

また保険会社とは顧問契約を締結しておらず、被害者支援に特化した法律事務所ですので、安心してご依頼いただけると自負しています。

 

交通事故のご相談は無料であり、着手金も無料の完全成功報酬制を採用していますので、弁護士費用の分で足が出る心配もありません。

 

群馬で交通事故に遭われた方は、まずはお気軽に山本総合法律事務所までご相談ください。

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この記事を書いた人

代表弁護士 山本哲也

代表弁護士 山本哲也

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親切、丁寧でとても細かい気づかい、対応に感謝しております。

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