突然、交通事故に遭ってしまい、しかも初めての交通事故だった場合、何をどうしたら良いのか分からないという方が大半だと思います。しかも、ご自身の過失がゼロである場合などは自分の保険会社は間に入ってくれず、ご自身で相手方の保険会社とやり取りをする必要が出てきます。
「今後どうしたら良いか分からない」「誰かに相談したい」
そのような時にはぜひ、交通事故問題に強い専門家を頼られることをおすすめします。交通事故問題に強い弁護士を見分ける方法について、以下で解説します。
交通事故の取扱件数が多い、交通事故に精通した弁護士を選ぶ
多くの弁護士が取り扱い分野に「交通事故」と記載しています。
しかし、実際に年間にどれぐらいの相談を受けていると思いますか?
年間に数件しか相談を受けていない、という弁護士も多いのが実態です。
もちろん、弁護士ですから、過去の裁判例にもとづいて裁判を進めることはできると思います。
しかし、交通事故の相談は、当然、裁判の話だけではありません。
適切な通院方法、後遺障害が認定されるかどうか、保険会社との交渉をどう進めるか等の様々な問題があります。
重大な事故の場合には、体の治療だけでなく、被害者ご本人やご家族の方が精神的に頼りにできるようなサポートを行う必要もあります。
また、交通事故で起こりうる症状の中には、高次脳機能障害といった、対処に高度な専門知識が不可欠な症状も存在します。
これらは、相談や経験の蓄積がなければ、適切な回答や対処が難しいのです。
ですから、交通事故の案件をたくさん経験している、交通事故問題に精通した弁護士に相談されるべきです。
後遺障害の認定の相談にのってもらえる事務所を選ぶ
交通事故の事案では、後遺障害の認定が非常に重要です。
例えば、14級が認定されるのと、12級が認定されるのでは、数百万円以上、損害賠償の金額が変わってしまいます。
しかし、実は弁護士事務所で、後遺障害の認定に関して相談にのってもらえる事務所は少ないのが現状です。
「後遺障害認定前の相談は受付していません」
「治療終了後にまた来て下さい」
という回答があることが実はとても多いのです。
適切な後遺障害が認定されるためには、症状に見合った適切な治療を受ける必要があります。
後遺障害の認定に精通した弁護士であれば、通院方法等について適切なアドバイスができます。
ですから、後遺障害の認定の相談にのってもらえる事務所にご相談されるべきです。
医療的な専門家と十分に連携している事務所を選ぶ
上記の点とも関連しますが、交通事故の損害賠償では、後遺障害の認定が重要な問題となります。
しかし、実は弁護士だけでは十分な解決が図れないケースも多くあります。
後遺障害の申請には「後遺障害診断書」という一般的な診断書とは違う専用の書類を提出する必要があります。
適切な後遺障害が認定されるために、後遺障害診断書に何を書くべきかというのは、後遺障害に関する知識と経験のある弁護士であれば判断できます。しかし、実際に後遺障害診断書を記入するのは医師ですから、医師と患者であるご依頼者、そして弁護士との協力関係が重要となるのです。
後遺障害認定を多数経験している弁護士であれば、地元の医療機関の特徴を把握しており、医師との協力も可能です。こういった体制を整えている事務所であれば、必要であれば診察に同行する等して、適切な後遺障害が認定されるためのサポートをすることができます。
適切な後遺障害の認定を受けるためにも、医療的な専門家と十分に連携している弁護士事務所を選ぶべきです。
地元の弁護士を選ぶ
近時、首都圏の弁護士事務所が「全国どこからでも相談を受け付けます」という広告を出していたり、出張相談を実施していたりします。
中には、依頼者と一度も面談せずに「電話とメールで解決します」という事務所もあるようです。
しかし、交通事故の問題解決のためには、被害者の方やご家族と面談し、弁護士がその実情を理解し、最適な解決方法、支援方法を検討する必要があります。
当然、地元の弁護士に依頼したほうが、面談の負担は少ないはずです。
また、適切な後遺障害認定のためには、後遺症の症状や、ご本人が感じていらっしゃる日常生活への支障等を詳しく教えていただく必要が出てきます。こういった事は電話やメールで判断することは難しいのではないでしょうか。
適切な後遺障害が認定されるための通院方法等も、地元の医療機関の実情に詳しい弁護士に相談した方が適切な回答を得られるはずです。
巧みな広告宣伝に惑わされずに、地元の弁護士にご相談されるべきです。
まとめ
以上で述べました様に、交通事故問題をご相談される時には以下の4つのポイントを押さえて弁護士選びをなさって頂きたいと思います。
1.交通事故の取扱件数が多い、交通事故に精通した弁護士
2.後遺障害の認定の相談にのってもらえる事務所
3.医療的な専門家と十分に連携している事務所
4.地元の弁護士
交通事故というのは長い人生でそうそう起こる事ではありませんが、一旦起きてしまうと、その後の人生を左右するような出来事となりかねません。
後で後悔される事の無いよう、弁護士選びは慎重になさってください。